平成29年12月創業。相談者と同じ年代の顧客に向けてママ目線でニーズを掘り起こし、アパレル商品の提案や販売を行う。実店舗とネットショップを併せもち、特にネットショップの収益が高いことが特徴。ライブ配信で商品紹介を行い、SNSのフォロワーを増やすことで販路の拡大を行っている。顧客をパートナーと捉え、協業に力を入れている。
相談のきっかけ
コロナ禍での経営戦略を立てたい
相談者は都内の外資アパレルでVMDや接客を経験。バイヤーに興味があり、経営知識は全く無かったが地元で親子ペアルックや韓国子ども服を販売するネットショップを開業。はじめは反響がなかったものの、毎日ライブ配信で商品紹介を続けるうち、地元ポップアップショップへの出店やインスタグラムへの広告を出すことができるようになった。身近なブランドオーナーとして顧客を獲得しはじめた矢先、コロナ禍となり改めて今後の経営戦略を考える必要があった。以前、開業時に、銀行に融資相談へ行った際に当拠点を紹介されており、相談に訪れた。
現状分析・課題設定
在庫不足にともなう売上の機会損失が課題
韓国の洋服を販売していた同社は、ライバルが多いためセレクトショップとしてのブランディングを意識。安易に仕入れられるメーカーは避け、直接韓国に買付けに行っていた。インスタグラムのフォロワー増にともない、注文は増えていたが、在庫不足に伴う売上の機会損失が大きいことを把握。そこでCOは、①発注から納品までのリードタイムの短縮化、②取り扱う商品の増加、③仕入れた商品をネットショップにアップするまでの時間の短縮、④在庫の管理方法の改善の4つを課題として設定した。
提案・実行支援
納期短縮モデルを考案しライブコマースで売上拡大を目指す
特にCOは、韓国からの仕入れ納期短縮を優先すべきことを提案。従来は輸送費や原価を抑えるために、大ロット発注をしていたが、在庫がなくなるとすぐに発注する「小ロット補充式在庫管理方式」に変更。そのためには、メーカーの協力を取りつけることが不可欠であったが、代金の先払いを実施することで、3週間かかっていた納期を5日へと大幅に短縮させることに成功。コロナ禍においても毎日インスタグラムでの商品紹介を行った結果、インフルエンサーの顧客も獲得し、フォロワー数15,000人、売上月400万円と大幅増加。ライブ配信のなかで顧客のニーズをくみ取り、韓国商品の選定だけではなく、協力メーカー探しにも力を入れるようアドバイスした。
支援成果と今後の展望
納期短縮とインフルエンサー獲得により売上が倍増
支援の成果により、売上は令和2年3月の月商200万円から倍増の400万円を達成。また、コロナ編で環境の変化が大きく、タイミングが遅れたものの、個人開業から法人化することができた。相談者1人ではじめた会社に実弟が参加し、新たに従業員を1人雇用した。現在はインフルエンサーとのコラボ企画や、様々なメーカーとのイベントを実施しているところ。さらにライブキャストを増やすなど、協業の輪を拡大している。
事例を振り返って
納期短縮のメリットは在庫管理だけでなく、予約販売の拡大につながることを伝えました。ライブ配信などの手法を取り入れることができれば、より顧客にアピールできること、在庫減少や売り逃しリスクの削減になり、利益拡大につながること、さらに、売上ではなく、経常利益からの逆算思考でビジネスを行うように助言しました。しっかりとしたビジネスモデルを持つ必要性を理解していただくことを意識しました。
相談者の声
幸せなママをたくさん作りたいと言う創業理念を一緒に考えてくださり、ビジネス環境が変化しても、ぶれずに支援していただきました。また、常に新しいビジネスモデルや、販路拡大についての提案をしていただきました。語り合ったことが確実に実現できていることが驚きであり、これからも一緒にチャレンジを続けたいです。
合同会社 A plus(LINK by mille)
代表者:池野 未来(いけの みき)
住 所:〒997-0827山形県鶴岡市陽光町16-6
連絡先:0235-22-9143